


学会設立の目的
急速に進む人口減少・少子高齢化に伴って、平成の大合併を機に加速した学校統廃合による廃校増加の現状は避けられない課題です。地方自治体にとって、廃校施設の大部分は老朽化の状態にあり、その維持管理費が大きな負担となっています。しかし、廃校は地方にとって貴重な地域資源です。これらの資源を有意義に活用して、地域雇用の創出・地域活性化並びに地域福祉の向上に繋げることが、自治体にとっては喫緊の課題になります。
文部科学省では、廃校施設や余裕教室の実態を把握し、その活用を推進するため、「廃校施設等活用状況実態調査」及び「余裕教室活用状況実態調査」を行っています。それによると、令和3年5月1日現在、平成14年度から令和2年度に発生した廃校は8,580校で、施設が現存している7,398校のうち、5,481校(74.1%)が社会教育施設や社会体育施設等の公共施設のほか、体験交流施設や福祉施設など様々な用途で活用されています。また、近年では地方公共団体と民間事業者が連携し、創業支援のためのオフィスや地元特産品の加工会社の工場として廃校施設が活用されるなど、地域資源を活かし、地域経済の活性化につながるような活用も増えてきています。しかし、活用されていない廃校も1,917校存在します。余裕教室とは、児童生徒数の減少により、今後5年以内に、普通教室として使用されることがないと考えられる教室のことをいいます。令和3年5月1日現在、公立小中学校等の余裕教室数は73,247室であり、そのうち72,266室(98.7%)が当該学校施設をはじめ、何らかの用途に活用されています。
「文部科学省(みんなの廃校)プロジェクト参照」
これらの状況に鑑み、宮崎大学地域資源創成学部の根岸裕孝教授(現宮崎大学地域資源創成学部 教授・学部長)、同大学の熊野稔教授(現北海道文教大学人間科学部 地域未来学科教授・学科長)、九州工業大学の吉武哲信教授(現九州工業大学大学院 工学府教授)などが発起人となり、2018年10月13日廃校活用に関する「九州廃校学会」を発足しました。
下記は発足時のWeb記事での紹介です。
『宮崎大学地域資源創成学部の根岸裕孝教授、九州工業大学の吉武哲信教授などが発起人となり、10月13日廃校活用に関する「九州廃校学会」を発足した。九州の複数の有識者が参加する任意団体で、大学教授や有識者による廃校活用をテーマとした組織は日本初。根岸教授を会長とし、同学部の熊野稔教授、吉武教授の3人が発起人となり発足した。福岡地域戦略推進協議会(略称FDC、福岡市中央区天神1丁目、麻生康会長)の石丸修平事務局長などが設立した、廃校活用事業者が交流しながら現場レベルの声を共有する場「九州廃校サミット」とも連携を取っていく計画で、学問的な見知で持続可能な廃校活用の在り方を追求する「学会」の設立でより取り組みを活発化させる。調査・研究結果は、新規参入を含めた廃校の活用事業者と共有し、さらなる廃校再生の促進を図るとともに、運営の弊害となっている規制や法令の緩和など政策提言にも生かしていく。』
「福岡経済Web2018/10/23記事より」
本学会は、大学等の研究機関と地方自治体並びに地元企業との協働を推進する環境を整え、産学官連携を構築できたらと考えています。具体的には、現存する廃校において「廃校活用プロジェクト」を立ち上げ、地元大学の学生も講義の一環と捉え持続可能な再生計画に参加させ、人材の発掘にも貢献したいと考えています。
九州廃校学会